PUBLICATION
No.6285
発行年月2007年09月
価格(税込) 1,800円
判型A3
頁数114頁
PDF 無
在庫○
本調査は、住宅価格の変化を正確に描写するための技術の開発を目的としたものである。そして、その手法上の特徴は以下の3つの点に集約することができる。
1 住宅価格の変化を描写するための、物件データベースを整備している。その中には、新築時及び転売時のマイクロデータのそろったものが含まれており、このことにより、わが国で初めての大規模なリピートセールス法が適用可能なデータベースが整備されている。
2 住宅価格水準及びその変化を描写するために、先行研究の徹底的なサーベイと、それらの手法を用いたわが国の不動産市場の網羅的な評価が試みられている。具体的には、これまではヘドニック法のみによって分析されることの多かったわが国の住宅価格水準とその変化について、リピートセールス法、ノンパラメトリック、セミ・パラメトリックな手法など豊富な手法による描写が行われている。
3 住宅価格の変化について、年齢効果、マクロな影響、パラメータの変化など、系統的な検討が加えられている。このことにより、住宅価格の変動をコントロールできるリスクとそうではないリスクに区分することが容易になるため、家計の住宅取得行動、金融機関の住宅ローンの貸し出し行動に関して不確実性を減少させるインフラが構築されている。
住宅取得、住宅金融をめぐる環境は大きく変化しようとしている。耐震構造偽装事件などにより生じた二重ローン問題をきっかけに、住宅ノンリコースローンへの関心が高まっている。リバースモーゲージや住宅を組み入れた不動産流動化商品などの新たな金融技術が普及するためには、住宅価格を測定する系統的技術の開発が不可欠である。しかし、中古住宅市場が未発達であったり、不動産売買情報が広く公開されていなかったりするため、リピートセールス法が適用可能なデータベースを構築するのに大きな費用がかかり、異なる手法間のパフォーマンス比較や実務への適用可能性が検討されたことは、これまでにない。わが国でも適用可能な住宅価格評価技術の確立は、避けることのできない課題といえる。
今後、この報告書における知的インフラが、まずは研究用にそしてビジネスの場面でも広く活用されることを期待したい。また、継続調査として、海外におけるノンリコースローン等の現状について現在調査中である。継続調査の報告書についても御期待いただきたい。