PUBLICATION
No.8296
発行年月2009年09月
価格(税込) 1,800円
判型A4
頁数89頁
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在庫○
住宅や居住環境は、人々の生活の質を決定する最も本源的かつ基本的な構成要素である。にも関わらず、住宅・居住環境に関する精緻な実証分析が日本では十分に蓄積されてこなかった。
中でも、地方公共サービスや地方公共財は、市場を介して取引されない非市場財であるため、それらの経済価値を評価することは容易ではない。今までは、地域アメニティや公共財の価値が、地代に資本化されると考え、ヘドニック法を用いた分析が行われてきたが、ヘドニック法は強い仮定を前提としている。居住地の選択は人々の地域アメニティや公共財に対する選好を表していると考えられるため、地方公共財が居住地選択行動に与える影響を分析することで、ヘドニック法よりも弱い仮定の下で、非市場財の価値を測定することが可能となる。本調査研究では、条件付きロジットモデルによって、個票データを用いて世帯の居住地選択行動を分析することで、公共財や地域環境が居住地選択行動に与える影響を測定し、公共サービス・公共財の効率的な供給という視点から公共財・地域環境の価値を試算している。その結果、人々の居住地選択において、公共財や居住環境が果たす役割は決して小さくないことが明らかとなった。
本研究が、日本の「住宅」「居住環境」のあるべき姿の再考を促し、その再構築を行うための基礎資料として活用されることになれば幸いである。