概要

　21世紀に向けての木造住宅の性能向上を幅広い視点から検討した。まず、木造住宅の構造安全性について、地盤と基礎、主要な部分の木材の断面寸法、木材相互の接合方法、荷重に対する処理方法等に関する設問から現状分析を行い、構造試算、構造設計に対するビルダーの意識調査も行った。次に、木造住宅の居住者を対象に、木造住宅の居住性能に関する調査を行い、住み心地や設計に対する満足度などのほか、家事作業の内容、改善要求と住宅の部位・設備のあり方、親子間のコミュニケーションなどユーザーの住居内の行動に関する意識調査も行った。さらに、ユーザーを対象に木造住宅選択の理由、行動様式と住宅の好みなどについて、ビルダーの営業部門を対象に住宅のセールス方法について、企画・管理部門を対象に木造使用の現状と今後の問題点などについて調査し、21世紀初頭の軸組工法木造住宅の将来像を検討した。