概要

　日米の住宅価格を比較するため、両国の工務店（日本「２×４工法」２社、「在来工法」２社の計４社、米国３社）が積算したほぼ同一プランの住宅に対する見積りから、総工費、価格の内訳とその構成比、工事区分ごとの価格を購買力平価により比較したものである。その差は総工費で、日本を100とした場合、米国は79という結果になっている。さらに、これら日米間の価格差を生み出している背景を探るため、双方の生産供給形態についてのアンケートおよびインタビューを行い、その要因として、法規制（労働基準法、建築基準法など）、資材流通形態、工事合理化のあり方（工程管理、作業方式など）、積算方式をとりあげた。日本側の工事合理化の課題として、建築部材の標準化、専業化・分業化の促進、デザイン・設計水準の向上などが提案されている。