タイトル | 季刊 住宅土地経済 2004年冬季号 | ||||
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発行年月 | 平成16年01月 | 判型 | B5 | 頁数 | 44 |
目次 | 分類 | テーマ | 著者 | |
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巻頭言 | 恒久的な住宅政策を | 高城申一郎 | ||
座談会 | 新たな住宅政策を考える | 浅見泰司・八田達夫・平山洋介・森泉陽子 | ||
研究論文 | 住宅ビルとオフィスビルの住み分けに関する実証的考察 | 笠島洋一 | ||
調査報告 | 不動産流通システムのコスト構造 | 清水千弘・西村清彦・浅見泰司 | ||
追悼 | 坂下昇先生の学問と業績 | 金本良嗣 | ||
内容確認 | バックナンバーPDF | |||
エディ トリアル ノート | 住宅や土地の経済分析にも新しい研究者が参入し新しい流れを作りつつある。新しい潮流は理論を背景に現実のデータから必要な情報を取り出し、現下の政策課題に正面から取り組もうとする野心的な研究プログラムとなっている。本号の論文の著者笠島洋一氏もそうした新しい潮流に属する研究者である。 笠島洋一論文(「住宅ビルとオフィスビルの住み分けに関する実証的考察??指定容積率の変化に伴う住み分けの変化を考慮して」)は、現在の都市、とくに東京における住宅とオフィスの住み分けの問題を分析し、得られた結果を用いて指定容積率の変化がこの住み分けにどのような影響を及ぼすかを予測しようとする試みである。「住み分け」に関しては、従来は都心にオフィスビルが建ち並んで住宅を追い出すという一面的な側面だけが目につきがちであったが、「バブル」経済崩壊後の地価の下落、都心への人口の回帰等で複雑な様相を示している。この新しい展開の典型例がいわゆるオフィスビルから住宅へのコンバージョンであろう。こうした変化は人々の経済合理性に基づく選択が都市の「構造」を規定していることを示唆している。笠島論文は、住宅ビルを作るか、オフィスビルを作るかという経済人の選択を定式化し、それを東京のデータを用いて推計している。得られたパラメータ推計値から、現実の土地利用を「予測」してそれと現実値を比較、「かなり説明できている」(図1と図2)ことを示している。 もちろん、この評価には主観的要素がはいることは否定できない。著者はより客観的な「あてはまり」の程度を示す必要があろう。また、地域が住宅ビルかオフィスビルか、という二者択一の定式化も極端すぎよう。著者が認めるように両者の混在もあるし、そもそも実際には、ビルの中でオフィスに使われたり住宅に使われたりという「住み分け」が起こっているからである。また、著者が認めているように、すべての地域で容積率が完全に使われているという仮定も非現実的である。これらはモデルの定式化に変更を迫るものであり、こうした変更が論文の結果にどのような影響を与えるのかは単に知的興味だけでなく、政策評価にも大きな影響を与える重要なポイントである。新潮流を代表する著者の今後の発展を期待したい。(KN) |
価格(税込) | 750円 | 在庫 | ○ |
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