概要

　まず、先端技術産業の概念と特性について検討し、全工業および先端技術産業を含む業種ごとに一般的な立地特性を明らかにした。次に、東京をめぐる大都市工業地域のなかで多摩地域の工業活動を位置づけるとともに、先端技術産業の展開について明らかにした。そのうえで、航空・宇宙、光、メカトロニクス、エレクトロニクス、ファインケミカル、研究開発機関などのグループから12の代表的な事業所を選び、生産活動、従業者特性、立地環境についてヒアリング調査を行った。また、人口、産業構造、土地利用の変化といった都市化の進展状況や住宅地区面積の変化、住宅団地建設の動向などの宅地供給の実態、地価の動きについて分析を行い、さらに、工業基盤および交通基盤（鉄道・道路）整備の概要と進捗状況を整理した。以上の分析を通じて、多摩地域の振興を図るうえで職と住が一体となった良好な地域づくりという視点から、先端技術産業の誘導と良好な居住環境の形成を推進するための課題を検討した。